肉離れとは筋肉の損傷又は断裂をするケガの事で、主にスポーツのプレー中などで筋肉が急激に収縮された時に起こります。よく起こる部位としては下腿部(ふくらはぎ)や大腿部(太もも)に多く、筋肉のある部位ではどこでも起きます。今回はふくらはぎを例にご紹介したいと思います。
原因としては、ダッシュ走や腕相撲、重いものを持ち上げるなどの急激な運動で起きます。また筋繊維に柔軟性がない人(体が硬い人)、筋肉が硬い(筋肉が疲労状態)などの人たちに多い傾向にあります。
症状としてはストレッチをしたときに痛みがあったり、患部を押さえると痛い、力を入れると痛い、断裂部分がへこんでいる、内出血を伴っているなどの症状があります。また稀に肉離れを起こした瞬間にブチッ!と音が聴こえる事もあります。
また肉離れは痛みや機能障害の程度によってstageⅠ~Ⅲに分けられ、その程度によって損傷の度合い、治療法、治療期間が変わります。
・Ⅰ度 軽度の損傷でわずかな筋肉の損傷、歩行は可能
・Ⅱ度 中等度の損傷で筋肉の1/3以上部分断裂がみられる、やや歩行困難
・Ⅲ度 重度の損傷で筋肉の完全断裂などがみられる。関節を動かす事が不能で歩行不能
※筋肉の傷害は回復に長い時間がかかります。傷害の程度にもよりますが6か月以上症状が残る事もあります
治療としては…。
・Ⅰ度 安静、冷却、圧迫、挙上、固定などの保存療法。主にテーピング、サポーター装着などが多いです
・Ⅱ度 Ⅰ度と同様に安静、冷却、圧迫、挙上、固定などの保存療法。但し固定期間や固定法はⅠ度の場合より強固になります
・Ⅲ度 ギプスによる長期の固定及び断裂部分を縫合する手術療法。ギプス固定による保存療法では数か月間固定することもあります
予防としては…。
① 運動前は準備運動をしっかり行う(特に冬場などの寒い時期は体をしっかり温める)
②ストレッチ運動(硬い筋肉は断裂を起こしやすいので普段から筋肉を柔らかくしておきましょう)
③マッサージ(筋肉を柔らかくする事は筋断裂のリスク軽減につながります。またリラックス効果も期待が出来ます)
④無理をしない事(疲労がたまっている状態や体力に伴っていない運動は肉離れのリスクが高まります。運動をする際には無理をせずに楽しむことを優先しましょう)
⑤アイシング(運動後も肉離れのリスクはありますので、運動後は疲労回復効果も兼ねて15~20分程度の氷のう等でアイシングを行ってください)
注意点としては、ケガよりの復帰後の運動を始めるタイミングとしては、急激に始めるのではなく徐々に運動強度を上げていくようにしてください。いきなり競技復帰するのではなく、まずは軽いウォーキングやストレッチ体操、その後ランニングなどの基礎運動、そして最後に競技復帰するようにしてください。
筋肉を早く使いすぎると治癒が遅れたり、痛みや違和感が残る事があります。またケガをした際の急性期はアルコールや入浴は痛みが増大したり治癒が遅れることがありますので、避けてください。
もし体をきれいにしたいのであれば、ぬれタオルで体を拭く、あるいはぬるめのシャワーを浴びる程度の入浴にしてください。
最後に治療期間ですが部位、損傷範囲、治療法などで治療期間は様々です。近年では治療器の発達により、今までより早く治る場合もあります。林接骨院でもアキュスコープキャリーという機器を導入してから劇的に治療期間が早くなりました。
もしお近くの医院、接骨院で治療を受けられるのであれば、施設の設備、先生の治療実績を基準に選ばれると良いと思います。また肉離れは、初期処置で治療期間が決まってしまいますので、お怪我をされた際は早めに整形外科、外科、接骨院等に受診してください。
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