近年増え続けている腰痛症。特に最近では若年層でも起きやすい疾患とも言えます。今回は腰痛の原因と予防についてご紹介します。
まず腰部の構造としては骨盤(腸骨+仙骨)の上に脊椎と呼ばれる椎骨があります。椎骨は腰(腰椎)に5個、背中(胸椎)に12個、首(頸椎)に7個存在します。また椎骨と椎骨の間には椎間板と呼ばれる軟骨性の組織があります。
その周囲に靭帯や筋肉などの軟部組織が覆い、全面には胃や腸などの内臓器があり、その間をすり抜けるように血管や神経が通っています。
耐久年数は個人差はありますが、椎間板の老化は20代半ばから始まり、それ以降はどんどん弱くなります。骨の成長も10代~20代がピークで40代から老化が始まります。また筋肉繊維は生活環境の差はありますが、20代がピークでそれ以降は緩やかに減少します。
腰痛を起こす主な原因としては大きく分けて3つあり、運動や日常生活の動作で起こる急性疾患、骨の先天的異常や老化などにより起こる病的疾患、感染症や腫瘍や癌転移などの内科的疾患によるものなどがあります。
これらは治療法が異なるため初期での診断が重要な要素になります。もし腰部に痛みがあった場合は早めの受診をお勧めします。また何らかの理由ですぐに受診できない場合は応急処置ではありますが、以下の事をしてください。
①コルセットなどで腰を固定する。
②冷シップを貼る、熱がある場合氷のうで冷やす(冷やすを重点的に行う事)
③安静にする(出来るだけ動かない、運動は厳禁)
④入浴は避ける(どうしても風呂に入りたい場合はぬるめのシャワー程度で温めない)
⑤出来るだけ横になる(座っていても腰に負荷がかかる為、横になるのがベスト)
⑥アルコールは厳禁(酔うと痛みが紛れるように思われますが、血行が良くなり痛みが増します)
⑦市販薬の痛み止めは出来るだけ飲まない(痛みが止まる事もありますが、重篤な疾患の発見が遅れたり、内臓器由来の腰痛の場合は、かなり危険な状態になりますので医師の指導がない場合は避けてください)
以上が主な応急処置となりなす。但しあくまでも応急処置であって治療ではないので、早めにお近くの整形外科、外科、接骨院等に受診してください。
次に腰痛にならないための予防法ですが、予防法には様々な方法がありますが、今回は一般的な方法をご紹介します。
①筋力UPのトレーニング
腹筋、インナーマッスルの強化などが効果的です。バランスボールを使った運動や上り坂のウォーキング、水中歩行などがオススメです。
②ストレッチ体操
前屈、側屈(体を横に倒す)、股関節の開脚などが効果的です。仕事前や座り仕事なら1時間に一回ぐらいを目安に行うと効果があります。
③日常生活の改善
仕事で使うデスクや椅子の高さを変えたり、正しい姿勢で作業する事を心がけてください。また一時間に一回は作業を止め体を動かすなど休憩をこまめにとってください。
④作業動作の改善
荷物を運ぶ際に腰を曲げ前屈姿勢で持つよりも、一度しゃがんで荷物を抱えるようにすると腰の負荷がかかりません。作業動作を変えると予防になります。
以上が予防になりますが、痛みが長期間続いている、食欲が落ちている、体重が減った、発熱がある、体温が高い、安静にしていても痛い場合などは病的な場合があります。その際は早急に専門医、病院等に受診してください。
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