テニス肘とは、肘の外側の骨の辺りが痛くなったり、肘を動かしにくくなる疾患で、日頃から肘をよく動かす職業に多い疾患です。特にテニスプレーヤーによくみられるので、“テニス肘”と呼ばれています。
メカニズムとしては、肘には前腕から手首にかけて走る筋肉が付着しており、ストレスを繰り返し受けることによって、それらの筋肉線維が損傷を受けたり、付着部が引っ張られたりして炎症を起こします。
そのことにより、肘の外側には徐々に痛みが出現し、動かしにくくなったりします。また回復には数カ月~1年かかることもあります。
また最近テニス選手に多いのが、キックサーブと呼ばれる特殊な変化球の打ち方での損傷が多くみられます。このサーブを行う方は指導者の指示に従ってきちんとしたフォームでのサーブを習得してください。
※キックサーブ(スピンサーブを更に攻撃的にしたサーブでバウンド後に高く弾み鋭角に跳ねるボール)
症状の特徴としては…。
①肘の外側部の隆起した骨の上にはっきりした圧痛部がある。
②ズキズキとうずくような感覚が肘から前腕に走る。
③肘を伸ばして、手の平を上方と下方に回旋(回す)したときに痛みが出る。(腕を伸ばしパチンコのスロットを回す動作)
④腫れや熱感を伴う場合がある
⑤物を拾うときに痛みがある。また痛みにより肘関節の動きが制限される場合がある
予防としては…
①普段より腕の筋力強化エクササイズを行う。
・アームカール、片ひじを90度屈曲、腕を肩の方に引きつける。15~20回行う一日二回
・タオルツイスト、タオル絞る動作(内回し、外回しを交互に15~20回行う一日二回)
②腕のストレッチ運動
・腕を伸ばし手首を背屈、掌屈を各10秒3セット一日2回程度行う
・余裕があれば肩の周囲のストレッチ運動も行う
③プレー後は15分~20分程度肘のアイシングを行う
④痛みを感じる活動は中止する
⑤痛みや筋肉のハリを感じたらテニス肘のエルボーバンドやサポーターをつけておく
⑥痛みが出現したらRICE(安静、冷却、圧迫、高挙)を行う
以上がテニス肘の概要と予防になります。また、これらはあくまで応急的な処置と予防になりますので、痛みや違和感が出現したら早めにお近くの整形外科、接骨院、病院に受診してください。
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